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「生まれてきてくれてありがとう」

幼い頃

家の近くにある柳の木の下を  祖母に背負われて 良く通った

夜になるとたくさんの蛍が飛び
夏なのに雪が舞うように ふわふわ と揺れていた


画像提供 「六花工房」さん⇒http://www.s-nanto.com/snow/index.htm
 
あの頃はとても大きく感じた祖母の背中も
今はとても小さく見える

祖母はとても苦労をした
わたしの祖父は働き盛りに交通事故で下半身不随になり車椅子の生活をしていた

趣味だった釣りも山歩きもできなくなり
毎晩 酒に溺れた

車椅子で動ける範囲はとても狭かったけれど

あるときは釣竿を振り回して怒鳴り
あるときはグラスや窓が割れる音が響いた

でも私はそんな祖父を不思議と嫌いにはならなかった

暴れれば暴れるほどに
怒鳴れば怒鳴るほどに

祖父の苛立ちや悲しみが私に伝わってきた

普段はとても優しくて頭のいい祖父だった
その骨と皮だけのやせ細ったひざで勉強を教わるのが好きだった
ライオンの鬣のような凛々しい白髪が好きだった

幼い私に祖父はいつもこういった
「生まれてきてくれてありがとう」

私の母にもこういった
「この子を産んでくれてありがとう」




祖父が亡くなって20年以上たった今でも
この言葉はわたしの心の支えになっている

私も大切な人たちに惜しみなくこの言葉を言ってあげたい


「生まれてきてくれてありがとう」
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waga
Posted bywaga

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